テレワークのメリット・デメリット・問題点を解決するための方策とは?

テレワークの問題点とそれを解決するための方策とは

働き方改革が進む社会にあって、介護や育児の関係で出社や通勤ができない従業員がテレワークで勤務でき、サテライトオフィスなどを準備して問題の解消や業務の効率化を期待する企業は多いです。在宅でもっとも、テレワークには従来のオフィスワークには無いいくつかの問題点が内在しているため、それらを正しく認識せずに安易に導入してしまうと、かえって在宅での業務が非効率になる恐れがあります。さらにDX推進を実現できないという課題を抱える企業も、2020年のデータでは導入率が8割以上に達しているのが現状です(JMAの調査では8割の企業が人材不足を課題として挙げる)そこで、今回ではテレワークの問題点の改善策やメリット・デメリットをご紹介していきます。

費用面では通信関連の課題が散見

テレワークを導入するためには一定のコストが発生します。このコストこそがテレワークを導入する際に多くの企業が直面する問題の一つです。ここでは、具体的にどういったメリット・デメリットがあるのかをご紹介します。

情報端末

テレワークをするためには、社員一人ひとりが自宅に仕事をするためのパソコンやモバイルといったさまざまな情報端末を備える必要があります。プライベートで使用している端末を場所を選ばずにそのまま仕事でも使ってもらうというのがメリットになりますが、アンケート調査を行う会社の場合は個人情報を扱いますし、金融機関のように機密情報を数多く取り扱う企業の場合には情報セキュリティを考えても、企業側できちんとした端末を用意する必要があるでしょう。その場合にはテレワークをする人数分の端末が必要になるため、それを購入するためのかなりの出費がかかります。

通信環境

自宅で仕事をするためには、安定した情報通信技術の環境が不可欠です。インターネットの普及によって、自宅でwi-fiを利用できるという人は多くなってはいるものの、まだまだ全員というわけではないでしょう。その場合には企業側でポケットwi-fiを貸与したり、通信環境を整備するための費用を補助する必要が出てくる可能性があります。ハードウェアの準備以外にも、端末ごとにソフトウェアの導入が必要になります。

各種ツール

端末と通信環境を整えるだけでは、テレワークをするのには不十分です。テレワーク中は会議やミーティングをすべてオンラインで行わなければならなくなるため、そのためのビデオ会議システムや関連機器の導入も必要です。また、社員が勤務時間中にきちんと仕事をしていることを確認するため、従業員が働く際の意識・勤怠・労務を管理する機能があるツールを用意する必要もあるでしょう。当然、これらのシステムやマネジメントツールを整備し、操作方法を解説したマニュアルを準備する費用がかかる点も考慮する必要があります。

ペーパーレス化

テレワークをスムーズに行うためには、業種を問わず、これまで紙で作成していた資料などを全て電子ファイルにする必要があるでしょう。そのため、事前に膨大な書類をすべてPDF化しておく必要がありますが、その作業を外部業者に委託するのであればそのためのコストも見ておく必要があります。社外持出禁止の情報を求め、オフィスに行って必要書類を確認するというケースがないように配慮しましょう。

業務面ではコミュニケーションの課題

テレワークで勤務すると、これまでのように業務がスムーズに回らなくなってしまう恐れがあります。ここでは、そのような業務面の課題・メリット・デメリットについて見ていきます。

部署間の不公平感が生まれる

テレワークの特徴の一つに、職種によって向き不向きがあるという点が挙げられます。例えば、事務系の職種の場合は家でもオフィスでも同じように働きやすいのがメリットですが、クライアント先に出向いてやり取りする必要がある営業系の職種は、必ずしもテレワークには馴染まないでしょう。そのため、企業としてはどうしてもテレワークに馴染みやすい部署を中心に制度を導入しようと考えがちになりますが、そうしてしまうと制度を利用できない部署の社員が不公平感やストレスに苦しみ、その影響を受けて仕事へのモチベーションを失ってしまうリスクがあります。

社員の評価がしにくくなる

テレワーク中は、上司が部下の仕事ぶりを直接目にすることが困難です。もちろん、オンラインミーティングなどで適宜顔を見て会話はできますが、それだけでは情報を完全に把握できず、普段の働きぶりを徹底的にチェックするには十分ではないでしょう。そのため、どうしても社員の評価が困難になりがちです。一生懸命働いているはずなのに上司がそれを正しく評価してくれないと感じると、社員としてはやる気をなくすリスクが生まれます。

業務効率が悪化する

これまでオフィスで仕事をするのが当たり前だった社員がいきなり家で仕事をするとなると、最初のうちはどのようにして働けばよいか分からず戸惑いを覚えるかもしれません。オフィスにいれば、分からないことはすぐに相談できましたが、家で仕事をしていると電話やメールで問い合わせなければならないため、回答を得るのに時間がかかります。テレワークには、このように業務効率が悪化するという課題があることも知っておいた方が良いでしょう。

テレワークの課題の改善策

前述のように、テレワークには費用面や業務面についての様々な課題があります。そのため、もし導入するのであれば、それらの課題をしっかりと理解した上で、それらについての改善策を十分に講じておく必要があります。ここでは、テレワークによる問題点を改善するための方策として考えられるものをいくつかピックアップしてご説明します。

コミュニケーションツールの導入

テレワーク中はどうしても社員間のコミュニケーションが少なくなり、ちょっとした疑問でもすぐに聞くことが難しくなります。それが業務の非効率化を招く可能性がありますので、社員間のやり取りを活性化させるためにオンライン会議システムやビジネスチャットといった各種のコミュニケーションツールを導入するのが有効です。Webアプリのツールを導入した上で、朝会や夕会のように定期的に社員同士が集中して画面上で会話をする機会を設けるようにすれば、テレワークによって業務が非効率化するという事態をある程度は防止できるのがポイントです。アプリに接続するだけで情報管理の一元化が可能になりますし、認識のずれを防止するという意味でもコミュニケーションが円滑になる効果があります。

勤怠管理ツールの導入

テレワークをしている社員の仕事ぶりを上司などがしっかりと管理できるようにするために、勤怠管理ツールを導入するというのも一案です。ツールへのアクセス記録を利用して出退勤が管理できる適切なツールを導入すれば、上司は部下の管理を行いやすくなりますし、給与管理システムなどと連携させれば人事部門の業務や労務管理も効率化します。このように業務改善化の仕組みを構築することで、ソフトウェアの導入による勤務時間の削減が可能です。無理に移動する理由がなければ交通費がかかりませんし、外部から新たにツールを導入するだけで高いコスト削減効果や生産性を期待できる結果につながります。介護や育児などの責務を抱えるメンバーにとっては欠かせないツールと言えるでしょう。

クラウドネットワークの利用

実際に複数の拠点でテレワークを行うためには様々なシステムやツールが必要になりますが、それらのコストを抑えるためにはセキュリティの機能を持つクラウドを利用するのがおすすめです。クラウドで利用できるシステムの中には低コストで対応できる共用型のものが多くあるため、セキュリティ対策・運用効果・コストパフォーマンスを見極めた上でそういったものを使ってみるのも良いでしょう。とくにネットワーク上の情報セキュリティに関しては、情報漏洩を未然に防ぐ上でも重要なポイントです。ペーパーレス化の実施については成功の事例もありますので、徹底的に導入事例を掘り下げたい場合は他社が採用した方法を確認してみましょう(「日本でテレワークの生産性低下を防ぎ、向上させる2つの施策とは?」では日本航空株式会社のケースを紹介しています)

プロへの相談

個人や自社だけでテレワークの改善策を検討するのが難しいという場合には、優秀な専門家にアドバイスしてもらうというのも一案です。テレワーク環境を提供している会社やICT専門家へサービスの違いや解決方法について相談してみると良いでしょう。50人以下の規模であっても、メンバーの数がそれなりに多い場合はテレワークの体制やルールを考えるだけでも一苦労です。多様な目的に応じてソフトウェアを設定すると、分野横断的な知識が必要になります。無理に大きな目標や取り組みを設定する必要はないので、まずは業務提案の概要に加えて見積りを送付してもらうように積極的にコンタクトをとってみましょう。

テレワークを有効活用しよう

ここまで見てきたように、テレワークはうまく導入することができれば企業の生産性を飛躍的に高められるメリットがありますが、一方でコスト削減など問題点の改善策を講じないまま導入してしまうと、かえってコストアップや業務非効率化などのデメリットを招きがちです。そのような事態に陥らないようにするために、ここでご紹介した改善策を参考に対策をしましょう。または継続するプロセスの中で専門家に相談して、有効なアドバイスをもらうのもおすすめです。テレワークの導入後に新しい課題が出てくる場合も多く、中長期的な視点でテレワークのパフォーマンスを検証することで、社内の定着につながることが多いです。テレワークの導入を検討したい方は、関連サービスの資料をダウンロードしたり、サービス内容を比較・検討してみましょう。テレワークの導入で不安や不明点がある場合はお気軽にお問い合わせください。

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