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中小企業の突破口となる「自営型テレワーク」と「ワークシェアリング」
アクセス埼玉8月号(埼玉中小企業産業公社発刊)掲載記事にて掲載(執筆:高井信洋)
テレワークを導入し、「自営型テレワーク」と「ワークシェアリング」を実現するために何をすべきなのか?を知りたい経営者の方が増えてきています。本記事では中小企業の「自営型テレワーク」と「ワークシェアリング」について解説いたします。
テレワーク導入で中小企業の経営者がまずすべきこと③
中小企業の突破口となる自営型テレワークの活用とワークシェアリング
では、中小企業はどのように発想してテレワークを検討したらいいのでしょうか。
筆者は、雇用型テレワークに限定した経営の見直しではなく、第3の方法としての「自営型テレワークを活用したワークシェアリング」という方法をご提案してみたいと考えています。
ワークシェアリングとは、ワーク(仕事)をシェア?分担・共有?するという意味で、労働者個々の労働時間短縮を行い、仕事を分かち合うことをいいます。
コロナ禍でも、雇用維持を目的としたワークシェアリングが欧米で広がりをみせていますが、ワークシェアリングにも四つの分類があり、効果は雇用維持だけではありません。
デジタル化が進んだ現在では、ワークシェアリングの多様性と可能性がさらに広がっており、そこに活路があると考えます。
これまで、ワークシェアリングといえば、一つの仕事を「人と人で分担する」ことを指してきましたが、今後、機械と人間、ITと人間、AIと人間、雇用型と自営型というようにさまざまなワークシェアのカタチが、さらに発展していくとみられています。
この自営型テレワーク、AI、顧客を含む業務運営を「テクノロジー共創型ワークシェアリング」 と呼ぶこととして、外注も含めたテレワーク戦略で経営変革した、いくつか事例を紹介します。
事例①:オンライン契約書サービス
従来、法務部門で行ってきた契約書の作成、専門家の探索・相談・レビュー・書類の保管をクラウド保管するクラウド化と、弁護士などの専門家人材ネットワークでサポートするものです。
→法務部門の業務をクラウドと外部専門人材でシェアする事例。
事例②:オンライン名刺管理サービス
従来、営業部門が企業内で行ってきた顧客登録業務を名刺スキャンすることで、自動で認識し、登録情報をクラウド保管するサービスと、機械で自動認識ができない名刺については、個人情報が特定されないようにバラバラにし、多数の登録スタッフにそれぞれ入力業務を発注して、名刺管理をサポートします。
→営業部門の業務をクラウドと外部登録人材スタッフでシェアする事例。
事例③:オンライン翻訳・海外業務サポート
従来、翻訳担当スタッフが、人力で翻訳・校正業務していたものを外部専門スタッフ、専門ツールを駆使して翻訳を含む周辺業務までをサポートするものです。
→海外部門の業務をクラウドツールと外部専門人材スタッフでシェアする事例。
テクノロジー共創型ワークシェアリングのメリット
この共創型ワークシェアリングでは、雇用と自営型テレワークとワークシェアリングを中心に多種組み合わせることで中小企業にも活用できるメリットが期待できます。
メリット1 成果を求め柔軟に運用設計できる
自営を活用することで、雇用型で課題である就 業規則改訂や労使合意、管理業務といった労務管理を簡素化することが可能です。自営を活用し業務成果を明確にして、業務単位で改善ができることは中小企業経営者にとっては、メリットになるはずです。
メリット2 高度能力者の調達ができる
作業場所が指定事務所に限定しないからこそ、より専門的な人材や業者にネットで相談・依頼ができます。組織の専門性を高める上でメリットになるはずです。
メリット3 時短雇用による「採用力」向上
今後、これまでのような毎日出勤、終日フルタイム+残業が当然という環境での採用は難しくなりますが、一方で、副業・兼業も増加傾向にあります。ワークシェアリングによって、時短でチームワークを発揮するための環境が整えば、時短でキーマンを雇用するということもできることになります。
メリット4 業務ノウハウの蓄積
自社の中核業務については、AI・ITシステムを自社で用意し作業データを蓄積することによってノウハウの蓄積~社内トレーニング、品質向上につなげることができます。
中小企業がテレワーク導入・ワークシェアリングを導入するためにすべきこと
1)コストシミュレーション
コストが気になる経営者にとって、コストシミュレーションしてみることをおすすめします。私どもがしてきた試算では、テレワーク導入すると10名なら毎年300万円程度コストが下がる計算となることが多いです。予想以上に導入にコスト浮くことにお気づきいただけるはずです。
2)将来のシナリオ・シミュレーション
今回、大手企業がスムースにテレワーク導入できた理由の一つは、BCP(危機管理)対策によるところが大きかったとみています。3.11の東北震災以降、首都圏直下型などの震災リスク、出勤せず事業継続対策の一環でテレワーク準備を進めてきていたという側面もあります。もし、今かららテレワークを考えのであれば、コロナ類似の感染症、震災対策、採用難航、そして今後の営業活動は、営業範囲は、営業チャネルは?など多面的にシミュレーションして頂くことをおすすめします。
3)顧客情報のクラウド化からはじめる
雇用型テレワークであれ、自営型テレワークであれ、「業務に必要な情報がオンラインでアクセスできること」この状態がスタート地点になります。次に、クラウド化と同時に情報のアクセス権、編集権を自在に管理できることも重要です。
営業と管理部門などそれぞれの関係や業務範囲に応じて情報管理できることで安心して外部作業を任せることができるのです。逆に言えば、運営情報のクラウド化さえできていれば、外部からさまざまな協力を仰ぐことができるのです。
テレワーク導入は会社ごとに導入の範囲、方法、目的、効果が異なり、正解が一つとは言えません。だからこそ、外部に相談できる、協力を得られる準備を今しておく必要があるのです。
関連項概要
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コラム執筆者
テレワーク導入・リモート人材活用ビジネスインサイドセールスなら
高井 信洋(たかいのぶひろ) クラウドパワーパートナーズ株式会社 代表取締役 クラウドソーシング活用による事業開発、アウトソーシング支援、採用支援を行う。クラウドソーシング、テレワークに関する事例研究、講演等も多数 詳しくは「テレワーク・リモートワーク関連の専門家」をご覧ください。 |