DX化をスムーズに進めるツールとしての自前オンライン展示会のすすめ(清永 健一)

自前オンライン展示会とは?

前回のコラムでは、自前オンライン展示会の開催に取り組むことで、自然とDX化を進めることができる、とお伝えしました。

では、この『自前オンライン展示会』とは、どのようなものなのでしょうか?

実は、『オンライン展示会』という単語自体が、最近になって注目され始めた新しい言葉です。さまざまな意味で使われていますし、そもそも、私が提唱する『自前オンライン展示会』という言葉自体、私がつくった造語のようなものですから、ここでしっかり定義しておこうと思います。

『自前オンライン展示会』とは、次の2つの要素によって成り立つ、顧客獲得のための取り組みである。

要素1・WEBサイトを実践的な営業ツールとして作りあげる
要素2・コンセプトに沿ったオンラインセミナーを定期的に開催して攻めに転じる

要素1・WEBサイトを実践的な営業ツールとして作りあげる

これは、会社パンフレットのような既存の公式サイトとはわけが違います。単なる商品紹介や会社案内とは異なる、見込み客の問題解決に寄与するコンセプトをつくり込み、そのコンセプトに合致したWEBサイトを開設します。新たに開設するのではなく、既存ホームページの下層に配置する形でも構いません。

そして、そのWEBサイトにコンセプトに沿ったブログ記事や動画を掲載します。このひとつ一つの記事や動画が展示会ブースにあたります。このWEBサイトは、一年中ずっと開設されていますから、展示会的に言うと、常設展ということになります。

自前オンライン展示会とは?

要素2 年4回程度コンセプトに沿ったオンラインセミナー開催

「WEBサイトを開設するなんてお金がかかるじゃないか! コロナで先行きが見えないから少しでも支出を抑えて手元資金を厚くしておきたいのに・・・」

そう思ったあなたも、安心してください。ペライチ(https://peraichi.com/)というサイトを活用すれば、無料でWEBサイトを開設することができます。

もちろん、VR(バーチャルリアリティ)などを駆使して臨場感のあるサイトを構築するのも良いです。コロナ下以降、ITベンダーが、さまざまなオンライン展示会ツールを開発していますから、こういったものを活用することも可能です。

しかし、凝ったやり方は、時間やコストがかかりすぎてしまいます。まずは、無料ツールで手軽に始めて社内に勢いをつけた後、必要に応じてWEBサイトの高度化、高機能化を検討するというステップを踏む方が良いでしょう。

「WEBサイト? ホームページならすでにあるぞ!」

こう思った方もおられるでしょうね。しかし、その「ホームページ」は、あなたの会社商品・サービスや会社自体をわかりやすく説明する自己紹介型サイトなのではないでしょうか?

自己紹介型のホームページは、信頼証明のためには有効ですが、それだけで、潜在的な見込み客を集められるようなものではありません。つまり営業ツールとしては、ほぼ役に立たないのです。

見込み客を集めるためには、既存のホームページとは別に、コンセプトをつくり込み、そのコンセプトに合致したWEBサイトを追加してください。

コンセプトとは、「見込み客の問題解決に役立つもの」で「あなたの会社が顧客に提供する真の価値につながるもの」です

次に、コンセプトに沿ったブログ記事や動画をサイトに掲載していきます。

「記事や動画をつくるって言ったってどうやるんだ? 外注する予算はないし、内製しようにも、うちにはそんなことができる人材はいないぞ」

大丈夫です。記事や動画は、あなたの会社の営業マンや社員さんでも簡単につくることができます。シフト制にして、全社員が記事や動画を数ヶ月に一度つくっていくというイメージです。

WEB上で検索されるキーワードを意識して記事や動画をつくっていくことで、徐々にサイトの閲覧が増えていきます。

この閲覧者が、まさにあなたの会社の見込み客です。この『自前オンライン展示会』サイトを運営していけば、自然と見込み客が増えてくるのです。

しかし、問題があります。それは、この方法が待ちの姿勢であり、見込み客数が増加するスピードには限界があるという点です。この問題をクリアするのが『自前オンライン展示会』のもうひとつの要素です。

要素2・コンセプトに沿ったオンラインセミナーを定期的に開催して攻めに転じる

開催頻度は、3か月に一回程度が良いでしょう。このオンラインセミナーに、見込み客を集客するのです。このことによって、メールや電話によって参加を促す攻めの姿勢で活動できますから、見込み客数の増加がスピードアップします。こうして、増やした見込み客に随時アプローチし受注していくのです。

『自前オンライン展示会』の実例

私自身も、『自前オンライン展示会』を開催しましたので、ここで実例としてご紹介します。コンセプトは、「リモート営業」です。

このリモート営業オンライン展示会のWEBサイトのイメージは、図の通りです。

自前オンライン展示会の実例

リモート営業オンライン展示会の場合

 

実際にWEBサイトをご覧いただいた方がイメージできると思います。「リモート営業オンライン展示会」と検索いただくか、こちら https://onlinetenjikai.com/ からご覧ください。

このリモート営業オンライン展示会は、無料ツール『ペライチ』を使って作成しました。高額のWEB制作を行わなくても、まずはこの程度で十分なのだとご認識ください。

私は、この『自前オンライン展示会』を開催し、第1回セミナーを2020年4月28日に行いました。

図をご覧ください。この図は、このセミナーをYouTubeライブで配信した際の分析グラフです。グラフの横軸は時間を、縦軸は視聴者数を表しています。

セミナーは13時から17時までの4時間にわたる長丁場でしたが、グラフの通り、最大132名の方に参加いただき、4時間後にも100名以上の視聴者数をキープしていました。

100人以上が視聴

Youtubeライブで配信した際の分析グラフ

 

いかがでしょうか? もしも、見込み客が、あなたの会社のオンライン展示会で行われているオンラインセミナーに4時間もの間、参加してくれたとしたら・・・その見込み客は、あなたの会社に少なからず興味関心を持つようになると思いませんか?

こういったことが実現可能になるのが、『自前オンライン展示会』なのです。

『自前オンライン展示会』開催 9つのメリット

『自前オンライン展示会』には、さまざまなメリットがあります。ざっと挙げるだけでも少なくとも以下の9つのメリットがあります。

1.自社で開催日を決めて自社だけで開催できるため社内に勢いをもたらす

2.接触自粛中でも災害が起こっても、開催することができる

3.出展料がかからず、費用ゼロで開催できる

4.距離の制約を超え、全国、全世界から見込み客を集めることができる

5.セミナーの中で、自社商材のメリットを順序立ててしっかり訴求することができる

6.セミナーを録画しておくとコンテンツ資産になり2次利用できる

7.継続すればするほどコンテンツが充実し、見込み客にとって有益なものになる

8.リアル展示会や合同オンライン展示会に出展する際に、相乗効果を発揮できる

9.取り組むことで社内のDX化が無理なく自然に進んでいく

あなたもぜひ『自前オンライン展示会開催』を自社の営業プロセスに組み込んでほしいと思います。

三密(密室・密談・密約)営業から教える営業にトランスフォーメーションする

『自前オンライン展示会』の開催において、もっとも重要なコンセプトを練り上げるために肝心なのは、「『売るのではなく教える』という発想に営業活動をトランスフォーメーションしていくことです。

思えば、コロナが襲来する前までは、営業の重要な瞬間は必ず『密』でした。

営業の大事な瞬間は必ず『蜜だった』

コロナショックが営業の世界を一変させた

 

商談の第一歩は、「笑顔で名刺交換」でした。勝負をかけたプレゼンは、当然「顔の見える距離で」行っていましたし、「がっちり握手」して顧客の心をしっかりつかむことが重要でした。そして、「深い関係とは距離の近さだ」とばかりに、アルコールを入れながら、顧客と肩を組んで「エイエイオー!」と言っていたのです。

「営業GNP」という言葉もありました。

G・・・義理(何十年も取引していて貸し借りもあるから義理で取引を続ける)

N・・・人情(何度も足しげく通って情に訴える)

P・・・プレゼント(時には接待をして一層関係を強固にする)

営業GNPとは?

しかし、コロナがこの状況を一変させました。コロナで経営が厳しくなれば、義理による取引継続は期待できません。そもそも、何度も足しげく通おうにも、接触自粛で面談できませんし、夜の街で接待なんてもっての外です。

私自身は、顧客との『密』な時間が大好きです。「営業GNP」を駆使して顧客に食い込む営業マンを尊敬しています。しかし、コロナです。「DX」化が叫ばれる中、こういったやり方は、もうできなくなってしまったのです。できなくなってしまった以上、新たなやり方を模索するしかありません。

そもそも営業GNP的なやり方には、マイナスの側面もあります。それは、行き過ぎると属人化し、コンプライアンス的に望ましくないやり方になってしまうという点です。三密営業と言っても良いかもしれません。三密営業とは、密室で、密談しながら、密約する、という今の時代にそぐわない営業を表す、私の造語です。

私たちは、コロナショックを、三密営業を脱却し、営業の本質的価値を発揮していくチャンスとして、前向きに捉えるべきなのです。

コロナショックを産蜜営業を脱却するチャンスに

では、営業の本質的価値とは、何でしょうか?

それは、「教える」ことです。プロとして、自社が扱う商材の周辺領域における情報、知見やノウハウを教えて差し上げることこそが、営業の本質的価値なのです。

「お客さまに教えるなんて、果して、うちの弱気な営業部隊にできるかな・・・」

心配ありません。この「営業としての本質価値」は、コロナ前まで多くの現場で成果をあげてきた、このコラムをお読みの経営者の方や営業マンのあなたには、実は、既に備わっています。そんなあなたなら、「DX」化もオンライン化も、仕組みとコツさえわかれば、すぐに対応できるはずです。

また、社内での経験が浅い若手社員や中途採用の方でも、『自前オンライン展示会』を開催することで自然と、「プロとして、自社が扱う商材の周辺領域におけるノウハウ情報を教えて差し上げること」ができるようになります。ぜひ教育の場としても実践してみてください。

このコラムの内容をより具体的に解説したわたしの7作目の著書
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執筆者


展示会営業®コンサルタントについて
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清永 健一(キヨナガ ケンイチ)

株式会社展示会営業マーケティング 代表取締役

2015年創業、代表の清永健一の略歴は以下の通り。中小企業診断士。神戸大学経営学部卒業後、メガバンク系コンサルティング会社など複数の企業で手腕を発揮し、2015年に独立、株式会社展示会営業マーケティングを創業する。

展示会のプロフェッショナルとして、展示会主催者や出展企業などにそのノウハウを伝えている。展示会の専門家としてNHKラジオ総合第一に出演。東京都中小企業振興公社、日本能率協会、愛知県、埼玉りそな銀行、各地の商工会議所など講演実績多数。

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